こう聞くと何やらトンでもなくアバンギャルドというか前衛的な音楽を連想するかも知れません。
しかし現在巷に溢れているポピュラー音楽の新譜たちは、
実のところどれも最先端の音響テクノロジーの粋を集めて作られているものなのです。
CD(コンパクトディスク)という限られたフォーマットの中で、音の迫力や、重厚感を追求し、
あるいは新鮮で耳に残る愉快な音を収録する。
音楽の製作現場では、こうした試みを実現するために高性能なコンピュータ技術が惜しみなく投入されています。
しかもこれはプロに限った話ではなく、実は最新スペックのパソコンと、数十万円程度のソフトウェアとハードウェアを揃えれば、
例えばソフトウェアのメニューに出てくる機能や、ハードウェアのカタログ上のスペックからすれば、
規模は小さいもののプロの機材とほとんど同じものを誰でも揃えることができる時代です今は。
エレクトロニカは、こうした面白い音の追求をメインにした音楽です。
実は何が何でもコンピュータを使ってというわけではなくて、アコースティックな楽器や、
人間の声、空き缶にペットボトル、机を叩く音、野外で録音した音などなど、
こういったものをごちゃ混ぜにしたり、加工したりして、音楽として提供したもの、
これをエレクトロニカといってしまっていいと思います。
コンピュータを使うのはたまたま音を細かく加工して、ストーリー感を作ったりとか、
リズムじゃないものを繰り返し再生してリズムにしちゃったりとか、
そういうことが簡単なので、しばしば使われているだけで、
実はアナログ派、アコースティック派の人たちも大勢いたりします。
そんな分けの分からないようで何となく楽しげな音楽がエレクトロニカです。
うーむ、む、あまりカッコいいことは書けませんが、最初に音楽に目覚めたのは中学生の時、最初に自費で買ったアルバムは、小室哲哉のDigitalian is eating breakfastと、なぜかバッハのオルガン曲集みたいなアルバムでした。それ以前は戦隊モノの特撮や、テレビアニメなんかの主題歌やBGMなどばかりを熱心に聴いていた記憶があるので、未だにアニメ風、あるいはゲーム音楽風の作風が抜けませんが、、今はもう諦めてます。
そこからトントン拍子に色々な音楽を聴き始めて、Metallica、Megadeth、Guns and Roses、と洋楽のメタル/ハードロック系を聴きあさり、高校生の頃はすっかりギター小僧となっていました。演奏力は限りなく0でしたが。。
当時の口癖は「ハヤビキしてぇ」。これはギターの非常に細かいパッセージをすらすらと演奏できることを指すギター小僧用語ですが、午後の授業を切り上げて、早目に帰宅することと間違われたとしても全く仕方の無いことでした。
それから大学に進学した際、入学祝いに買ってもらったパソコン(Macintosh LC575)とシンセサイザー(Roland JV-90)で今度はシンセ小僧となりました。当時はYMOが一時復活してテクノドンというアルバムを出していたころで、テクノの影響を受けた音楽にも目覚めて居ました。それから在学中はクラフトワークに、Emerson, Lake and Parmer、と思いきや何故かExploitedとかを聴いてみたり、あとは渡辺宙明や安西史孝といったアニメやサントラ系の作曲者の音楽も熱心に聴いてました。当時はアレンジに関心があったので、曲の組み立て方の面でお二方は大変参考にさせて頂きました、My師匠です。
そして在学中はバンドもやってました。今思えばそのバンドが自分にとってのエレクトロニカ体験のきっかけとなったと思いますが、似非民族音楽や、デビルマンのエンディング曲の今日も何処かでデビルマンのプログレロングバージョン(なんとあの曲が10分に!)、犬や猫を見ると金縛りになるんですという曲なのですが、環境音をずっとループで流して、キーボードとギターで即興演奏するというような事をやっておりました。ライブ中は皆さん怪訝な顔をされるのですが、終った後で熱心に活動内容を聞きにくる人もいたりして、
何かすごく適当なことをやっているのだけれど、新鮮な驚きを感じてくれる人もいるんだなぁと思ったのでした。
それから社会人になって、しばらく音楽活動を停止してしまうのですが、その間にも効果音を作ってWebサイトで公開したり月一更新のWebラジオをやってみたりと、音作りのテクニックをそこそこ磨いていました。ま、どちらかというと社会の重圧に翻弄され続けていた気がしますが、、
そして最近ようやく音楽らしきものを作るようになり、この度、エレクトロニカ作品集を発売させて頂くこととなりました。